やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

PEACESATとPARTNERS

米国がNASAの中古衛星を利用して無料で提供した衛星通信事業PEACESAT - Pan-Pacific education and communication experiments by satellite という事業がある。

私は、PAECEATの再出発と2012年に同事業が終了するまで、様々な形で支援、共同事業を展開した。

その背景の一つには日本の衛星通信開発がPEACESATの国際協力という理念に注目し、様々な技術的共同研究を進めていた事もある。すなわち日本国内に強い関心があったのだ。

私が1991年に出会い、支援を決めたのがPEACESAT政策会議助成であった。

1992年雪の降る仙台の東北大学で太平洋島嶼国を中心に26か国(地域)から300名を集めPAECESAT政策会議が日本財団と郵政省が集めた合計5千万円で開催された。

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当時郵政省は国際宇宙年に合わせ、PEACESATを模倣したPARTNERS ー Pan-pacific Regional Telecommunications Network Experiment and Research Satelliteという衛星実験事業を抱えており、5千万円位の会議になった。

この会議支援を私が提案した背景にUSPNetがある。USPNet支援に当たっては日本がお金を出すだけでなく某かの参加、協力の道をつけたい、と考えたからである(まだ20代だったのにすごい!誰も褒めてくれないので自画自賛)。

当時、私は情報通信を理解しておらず、必死で勉強したのを覚えている。それどころか、NASA長官が参加する、という話も出て来て関係者が驚いた事を覚えている。

当時は衛星事業インテルサットの民営化なんて話はまだなく、途上国の遠隔地の教育や医療サービスの手段として、国際協力による衛星の運営が検討されていたのである。

私は郵政省が進めるPARTNERSの研究を支援するつもりはなかったが同研究に関わる飯田尚志博士等専門家に、私が立ち上げた遠隔教育研究会のメンバーとなって戴いた関係でPARTNERSの動きも横目追っていた。

ここ数日PEACESATの関連論文をまとめていて急にこのPARTNERSを思い出し、検索してみた。

 

PARTNERSは1996年3月31日で終了していた。

下記の記事には商業衛星を利用して継続、とあるが、その成果はあったのであろうか?

 

「PARTNERS計画を振り返って」

井出 俊行

CRLニュース  1996.04 No.242

http://www.nict.go.jp/publication/CRL_News/9604/partners.html

 

 

「ETS-Vを用いた汎太平洋情報ネットワーク実験とPARTNERS計画」

飯田 尚志

CRLニュース  No.199 1992.10

http://www.nict.go.jp/publication/CRL_News/back_number/199/199.htm#199-2

(この記事の中で飯田博士が述べているのが笹川太平洋島嶼国基金が助成した会議である。)

 

「アジア太平洋情報ネットワーク実験 -パートナーズ計画- 」

若菜 弘充

CRLニュース No.208 1993.7

http://www.nict.go.jp/publication/CRL_News/back_number/208/208.htm#208-2