やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

私が作った日米宇宙開発協力の一歩

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2020年5月18日、自衛隊に宇宙作戦隊、Space Operation Squadronが創設された。これは前年の2019年8月29日、米軍に創設された宇宙軍United States Space Command:USSPACECOMに日本が呼応する形だ。米国は創設員78名、日本は20名だという。

日米の衛星開発協力体制は実は私が作ってきたのである。と言っても信じてもらえないだろうが、本当である。1992年の国際宇宙年を前に私の目の前には米国の衛星を利用したPEACESATというハワイ大学の事業があった。これに3千万円近く会議開催費を獲得した。他方、当時JAXA(当時はNICT)を管轄していた郵政省はさらに3千万円近い予算を確保し、雪の降る東北大学で太平洋島嶼国、米国の閣僚、教育関係者を100名以上集め会議が行われた。実はこれ、全部私一人の判断で進めたのです。

ここで日米協力の国際開発のための(軍事利用ではない)衛星通信利用の合意がされたのである。米国はPEACESATの延命、日本側はPARTNERSという新規の国際協力衛星開発実験が行われ、これがWINDSへと繋がる。

問題は日本側は郵政省で省益しか考えず、日米関係の政策を誰も協議していない事だった。郵政省だけではない。外務省の外交音痴をこの中で嫌というほど知る事になった。結局、日米豪NZの利害調整を私が行って、1997年には南太平洋大学の遠隔教育衛星システムを日本のODAにする事ができた。特に米国との関係は難しかった。一枚岩でない、と言うレベルではない。官僚、産業、政治家、学者、あらゆるレベルの利害関係が衛星開発、通信、教育、安全保障、全てを網羅して蠢いているのだ。

この現場の経験を国際政治でまとめたいと渡辺昭夫教授の門を叩いて2つ目の修士論文を書き、これを基盤に1つ目の博士論文を書いたのである。

今回の日米の宇宙部隊創設は、夢を見ているように嬉しい反面、日本は安全保障政策として宇宙開発をしてこなかった、すなわち技術屋のオタクGeek(バカにしているのではない。技術開発にオタクは必須だ)しか関与してこなかったので、その分野の議論が抜けている。他方米国の宇宙開発も複雑だ。ケネディの衛星の平和利用の背景などきっと誰も知らないと思う。

で、ここはマジで私の専門分野なので少しずつ書いて行きたい。

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懐かしい写真。ハワイに頻繁に通っていた頃。私はどこにいるでしょう?