やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

羽生会長と意見が一致した日

年明け、羽生会長に御挨拶をする機会をいただいた。

正直に言うと会うのが怖い。

今まで、吊るし上げにあったり、とんでものないインポシブルミッションを言い渡されたり。

例えば、

「豪州がうるさいんだよ。ちょっと行って来てよ。」

なぜ行くのか(うるさいという情報以外)、誰に会って何を話せばいいのか、何も指示がない。

一度、寺島常務にご相談した事がある。

「これはイジメではないでしょうか?」

「いや、羽生さんは早川さんを評価し、信頼しているんでしょう。」

相談した相手が悪かったかもしれない。

愚夫にも相談した事がある。ナント寺島常務と同じ反応であった!

「君を高く評価しているんだよ。Mr Hanyuの耳となり、目となり、情報を集めてきなさい。」

もしや裏でつるんでいるのではなかろうか?

今回の面談はいっしょにお仕事させていただいた8年間で初めて「俺たちよくやったよな」みたいな雰囲気だったのである。未だにあれは夢だったのではないか、と疑う事がある。

潜水艦の話が日豪で進んでいるが、日豪防衛協力を進めたかなり重要な背景を笹川平和財団は担っている。

2008年ミクロネシア海上保安事業を立ちた際、当時島嶼基金運営委員長であった渡辺昭夫東大名誉教授と当方は、羽生会長に

「一応豪州にも仁義を切りに行った方がよい。」とアドバイスした。

しかし、羽生会長はミクロネシア地域は米国が安全保障を管轄しているので米国だけで良いというお考えだった。

ところがである。ミクロネシア3国の大統領が彼等の海洋管理に笹川平和財団の支援を期待すると要請したとたん、豪州政府の太平洋海洋安全保障政策が動いてしまったのだ!

豪州はPPBPというあまり、というか殆ど役に立っていない海洋安全保障支援を太平洋島嶼国に長年してきたのだが、豪州王立海軍が「魚を追いかけるのは海軍の業務ではない!機能しないPPBP辞めたい!」と公式に表明した時期と重なったのだ。

そこに日本の一民間財団が支援に乗り込もうとしている、俺たちの30年近い苦労はなんだったのか!

しかも当時は反日のラッド政権。

ナント、豪州政府はPPBPを別の形にして継続する事を決定したのだ。

豪州政府の海洋安全保障政策を動かした、笹川平和財団

そして当方のキャンベラ通いが始まったのである。

アボット政権になって日本への、財団事業への対応は一変した。

日豪の防衛協力関係を相談されるようになった。

ちなみに豪州は日本の海保にあたる法執行を豪州王立海軍が担当している。

一時、国防省の意向で、PPBPの役割を国境警備組織に移行する事を検討したが、そのキャパがなく潰れた。

「オーストラリアがね、最近すごい前向きなんだよ。」

ミクロネシアにどんどん支援しなきゃいけないんだよ。」

今回は応酬させていただいた。

帝国主義だ!植民地主義だ!と当方を吊るし上げたのはどこの誰ですか!」