やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日豪協力による太平洋島嶼国の海洋安全保障

オーストラリアの全国紙 The Australian から、先般豪州ビショップ外相来日の際、サインされた、下記の日本豪州政府の合意内容についてコメントを求められた。

「太平洋における協力のための日豪戦略」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000132640.pdf

"Australia-Japan Strategy for Cooperation in the Pacific"

Text of draft Pacific Strategy 14-2-2016 (1).pdf

対太平洋島嶼国支援で日豪は協力しましょう、というのは以前からある。

重要な箇所は「海洋安全保障及び監視」が盛り込まれた事だ。

文章には、「両国は引き続き」、とあるが日本政府は何もしていないので、これは日本財団笹川平和財団ミクロネシア地域対し行ってきた海上保安事業の事である。断言する。水産庁の取締船パラオ派遣さえ外務省は反対している。

よって下記の2点をコメントした。

1)今回の海洋安全保障に関する協力の部分は、2008年から日本財団笹川平和財団ミクロネシアで展開してきた支援努力の成果である。その努力の中にはキャンベラ、豪州王立海軍との幾重もの、協議、会議、情報交換、意見交換があった。

2)これは大平ブレーンとして、「環太平洋構想」の島嶼を担当されていた、渡辺昭夫東京大学名誉教授からお伺いした事だが、APECにつながる同構想は、hidden agendaとして安全保障があった。また大平首相は自らこの構想に"Pacific Ocean Community"と名付けていた。Ocean ー 海があったのだ。今回の合意は大平首相、また島嶼を担当された渡辺昭夫先生が一番喜ばれるであろう。

(この大平首相の趣旨を継いでできたのが笹川太平洋島嶼基金と、以前笹川陽平会長にお伺いしたが、記憶違いかもしれない。今度お会いした時に確認したい。)

The Australianに掲載されない可能性大、なのでここに書いておきます。

<関連ブログ>

「太平洋共同体」

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/39

<関連資料>

環太平洋連帯の構想

1980年5月19日

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/APEC/19800519.O1J.html