やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

植民される欧州 その2 ブレンナム宮殿と世界遺産

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ストーンヘンジを作った先史の後は、ローマ人が植民し、フランクが植民し。。。

と、欧州の歴史はようわかりまへんが、日本が徳川時代の太平の世を迎えた頃も、欧州は土地の分捕り合戦が続いたのである。

1704年のブレンハイムの戦いではウィンストン・チャーチルのご先祖様が、攻め入るフランス軍と戦い勝利を納めた。即ちフランスの植民からイギリスを守ったのである。

 

その功績を讃え、アン王女からチャーチル公に与えられたのがブレンナム宮殿を中心とする広大な土地である。

 

現在、ナショナル・トラストになっており、ブレンナム宮殿は世界遺産にもなっている。

 

オックスフォード滞在中、愚夫が大学で講義をしている間、娘とこのブレナム宮殿を訪ねた。

ブレナム宮殿はウィンストン・チャーチルが生まれた場所でもある。チャーチルは、日本がWWIで太平洋に出て行く機会を作った人である。豪州NZの軍事力が頼りないのを重々承知で、日本の軍事力拡大の恐れを危惧するあらゆる抵抗勢力を抑え、日英同盟をフル活用した。

 

300年前、ご先祖様がフランス軍との戦いで勝利し、得たこの地は、宮殿は、まさにチャーチルがWWI, WWIIで叫んだ "Victory あるのみ!"という言葉が似つかわしいような気がした。

このチャーチル家の遺産が、好戦的なウィンストン・チャーチルを生んだのかもしれない。チャーチルの事もよく知らないのだが。ふとそんなイメージが湧いてきた。

チャーチルさんに、「負けるが勝ち」とか、「戦わずして勝つ」とか誰か教えてあげればよかったのに。。

 

娘「こんな家に住んでみたい。でもお掃除が大変そう。」

母「まだチャーチル家の持ち物なんじゃない?チャーチル家と結婚したら住めるよ。でもお母さんはこの宮殿じゃなく、敷地内に新しい家を建ててね。小さくていいから。老後はブレナム宮殿で過ごす事にする!」

 

ブレナム宮殿とその周辺の広大な土地は、確かにチャーチル家の持ち物であった。しかも独身の当主がいる事がウェッブサーフィンでわかった。当方の老後の企ても全く希望がないわけでもなさそうである。