やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

猫カフェとヌスバウムの動物の権利

娘にせがまれて「猫カフェ」に行った。

お店で渡された注意事項に「猫に触っても、抱っこしてもいけません。」とあり、娘は落胆していた。

 

1時間ほど待って通された部屋には、猫が4、5匹。私たちを含めてお客さんが3組。

私は関心がなかったので、角の椅子に座って本を広げた。すると猫が寄って来る。

関心がある娘の回りには猫は来ない。

猫はわかるのだ。

 

私「触っていいんですか?」

店主「寄って来た猫は抱っこして、という意味なので大丈夫です。」

私「娘が猫に触れないと知って相当落胆しています。」

店主「猫へのストレスが酷いのです。それでそのようなルールにしました。」

私「ストレスとは?」

店主「猫に表情がなくなるんです。」

 

何気なく訪ねた猫カフェだが、それ以来頭の端っこに残って離れない。

表情がなくなった猫たちの事が気になってしょうがない。

 

それで思い出したのが、アマルティア・センの会議の基調講演をした、マーサ・ヌスバウム博士の動物の権利の話である。ヌスバウム博士は今年稲盛賞も受章された。

動物の権利なんて、今に植物の権利とか言い出すんじゃないの?と会場の参加者と半分馬鹿にしていたが、今自分がその動物の権利を真剣に考えているので、馬鹿にしないで後で読んで見ようと思う。

 

 

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動物の権利

著者:キャス・R・サンスティン,マーサ・C・ヌスバウム,

訳:安部圭介,山本龍彦,大林啓吾

尚学社、 2013/11/13