やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ヌスバウム博士京都賞受賞!

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6月17日、マーサ・クレイブン・ヌスバウム博士が京都賞を受章とのニュースが流れた。 京都賞は知らなかったがヌスバウム博士はお名前は、自分の博論で散々目にした方である。

http://www.kyotoprize.org/laureates/martha_craven_nussbaum/

京都賞とは稲盛財団の事業であった。そして過去の受賞者を見ると思想、芸術部門ではカール・ポパーや黒澤明、ジョン・ケージなどの名前もあり、相当立派な賞である事がわかった。

http://www.inamori-f.or.jp/kyoto_prize/

ヌスバウム博士の研究の基礎はアマルティア・センのCapability Approach 潜在能力なのである。 この理論のための学会まである。開発とは何か?をアダム・スミスやアリストテレス、インドの哲学とか、色々紐解いて議論している。弱者への支援はどうあるべきか、というような事も議論の中心課題である。

例えば、障害者に何を支援すればよいか?という視点よりも障害者がしたい事を選ぶ自由や、達成する自由があるか?という視点なのである。 ヌスバウム博士の受章は、セン博士にとっても、またCapability Approach を研究する世界の学者、研究者にとっても嬉しいニュースであろう。 当方はヌスバウム博士も参加される予定のこの学会の大会で、このCapability Approach を評価するための手法として、羅生門効果とKJ法の事を発表する予定です。