やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

インターネットギャンブルはパラオで合法

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パラオ大統領選、もう目の前である。

リーク情報が飛び交う中、昨日インターネットギャンブルの文書が公開された。

カジノ法案は廃止になったのでは?と思ったがインターネットギャンブルは合法なのであった。

17 PNCA § 1601 CRIMES

Chapter 16 Gambling

https://www.oecd.org/site/adboecdanti-corruptioninitiative/46816862.pdf

 

ただし法律でパラオからはインタ−ネットギャンブルサイトにアクセスできないため多くのパラオ人が知らない。

インタ−ネットギャンブルサイト、パラオアルペシンアホテルのサイトは海外からはアクセスできる。上記の写真がそれである。

ホテル、とあるがそのウェッブにあるのはギャンブルサービスである。

http://www.alpensiahotel.com/about.html

 

この法案はトリビオン大統領時代の2010年に可決されたようだ。

Senate approves pachinko measure - 25 Jan 2010 By Bernadette H. Carreon

http://www.mvariety.com/regional-news/23269-senate-approves-pachinko-measure-

 

気になるのは法案に私企業の投資会社の名前が記入されている事である。

Paragon Investments International Incorporated という。同社のウェッブらしきものがあった。

http://www.paragoninvestments.com/

 

そしてこのインターネットギャンブルのライセンスを発行している相手が韓国のホテルであるという事だ。韓国とパラオとインターネットギャンブル(しかもパチンコ)という3つのキーワードから思い浮かぶのは、ソフトバンクの孫正義氏である。ニュースには余り出てこないが、孫氏がミクロネシア地域でインターネットパチンコ、租税回避スキームの開拓を行っていた(いる?)事は、多くの方(閣僚、法律家等)から伺っている。

インターネットギャンブル自体は合法であれば問題ないのだが、法執行の弱い島嶼国ではマネーロンダリング等の越境犯罪を招く事が想像される。アルペンシアホテルに発行されたオンラインギャンブルのライセンスが、汚職等の問題なく運営されていれば良いのである。

情報を収集する中でわかった事だが、パラオや小島嶼国が金融関連の越境犯罪の巣窟になりやすい事はOECDや先進国はわかっていて、パラオに金融監視委員会が設置されていた。マネーロンダリング等の監視をしているようだが、機能しているのであろうか?

Financial Institutions Commission (FIC)

http://www.ropfic.org/