ここ数日はパラオ大統領選を追って、眠れない夜が続き、身も心も疲れ果てている。
島嶼国の選挙なんか近づくものではない、という事を感覚的に察知していた。だから今までは百歩くらい距離を置いていたが、今回は業務命令で仕方なく、目の前で情報収集する事になった。
目の前に選挙戦があると何が起るのか?引きずり込まれるのである。
ここら辺、本当に島人はしたたかである。外国人を利用する術を心得ている。
こちらは、引きずり込まれた振りをして情報を得ながらバランスを保つ精神力が必要になって来る。
多くのアノニマスのリーク情報が送られて来る。
当方に情報の提供を求めて来るパラオ人も多い。
そんな心理戦、情報戦の中で、かなりディープな情報を得る事ができ、勉強にはなっている。
気が重いのは、インターネットギャンブル等の越境犯罪の証拠が次々と出て来る事だ。
law enforcementが、機能していない。という現実だ。
豪州の太平洋島嶼国支援の多くが、連邦警察の派遣等の法執行援であるのが理解できる。
日本が第一次世界大戦後にミクロネシア統治をした時は、まず沢山の警官を送った、と記憶している。台湾もそうであったはずだ。
島嶼国が必要としているのは山程あるが、一つは法の執行支援、ではなかろうか。
相手は主権国家であるが、皆が親戚で友人の社会で、しかも伝統的権威が優先する島社会では、公正な法の執行は困難である事を、大統領選を追う中で日々痛感している。