今回の島サミットは海洋安全保障と共に「北朝鮮問題」が首脳宣言に明確に記述された。
これは私がこのブログで、また月刊正論5月号で訴え続けてきたことである。太平洋島嶼国、越境犯罪の確信犯である。
首脳宣言にはどのように書かれているか? 12項と47項である。
12 首脳は,太平洋における法の支配に基づく海洋秩序を確保するため,海洋安全保障及び海上安全の分野において緊密に連携する意図を再確認した。首脳は,国境管理及び警備を含む,海上安全及び海上法執行の分野における太平洋諸島フォーラム島嶼国のための能力構築の重要性を改めて表明した。この文脈で,安倍総理は,太平洋諸島フォーラム島嶼国並びにそれら諸国の既設の機関及び枠組みと連携して実施されるものとして,海上法執行及び北朝鮮関連の国連安全保障理事会決議の履行に関する太平洋島嶼国のための能力構築プログラムの立上げを発表した。
47 首脳は,北朝鮮をめぐる現在の動きについての国際社会によるこれまでの全ての取組を評価した。首脳は,2018年4月下旬の南北首脳会談において発出され,朝鮮半島の完全な非核化という共通の目標を確認した「朝鮮半島の平和と繁栄,統一のための板門店宣言文」を歓迎し,来る6月の米朝首脳会談を通じ,この目標に向けた,北朝鮮による具体的な行動が示されることに期待を表明した。首脳は,北朝鮮に対して,国連安全保障理事会決議に従った具体的な行動を即時にとるように強く要請した。首脳は,国連安全保障理事会決議を完全に履行し,また執行することを含め,北朝鮮に対して圧力をかけ続けていくことに対するコミットメントを表明した。特に,首脳は,いわゆる「瀬取り」を含む北朝鮮による制裁回避戦術に対して深刻な懸念を表明し,開発パートナーによる太平洋諸島フォーラム島嶼国に対するこの取組への支援を得ながら,現時点で船舶登録上,自国が旗国となっている貿易又は漁業に従事する北朝鮮船舶の船舶登録の解除を含め,関連の国連安全保障理事会決議に従った取組を加速させていくことの必要性を強調した。首脳は,北朝鮮の,生物・化学兵器を含む全ての大量破壊兵器,弾道ミサイル及び関連施設の完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な方法での廃棄に向けて,平和的かつ外交的な解決を追求することの重要性を強調した。首脳は,また,北朝鮮による核実験及び大陸間弾道ミサイル試験発射の中止並びに核実験施設の廃棄の発表が,これに関連する具体的な行動に早期につながることを期待した。首脳は,拉致問題の即時解決を含め,人道上の懸念に対処することの重要性を強調した。(下線は当方による)
第8回太平洋・島サミット(PALM8)首脳宣言(福島県・いわき市)(2018年5月18日及び19日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/page4_004026.html
この太平洋島嶼国の責任を明確にした項目を取り上げるニュースはまだ見たことがない。私は太平洋島嶼国が行う便宜置籍船の他にマネロンや、カジノ、麻薬、パスポート販売などあらゆる「主権ビジネス」が北朝鮮を支援しているのではないか、と想像している。
と思ったら、今朝オーストラリアのABCニュースが、パラオのレメンゲサウ大統領にこの便宜置籍船の件をインタービューし、大統領がしどろもどろ。あっぱれ!
インタビュアの Catherine Graue女史「改善が達成されるのはいつなんですか?」
大統領「すぐにだよ。そういうことをすれば罰せられる仕組みになっている。」
本当だろうか??自分や自分の身内に都合が悪い事件になると裁判官(米国人)を更迭し続けたのはレメンゲサウ大統領だ。
便宜置籍船ビジネス、米国防省の支援を受けて改善しているといレメンゲサウ大統領語っている。ここで重要なのはパラオ政府は管理する意思も能力もない、ということだ。
それが小国による便宜置籍船の仕組みである。
Palau president Remengesau concerned about possible cancellation of North Korea-US talks
By Catherine Graue on Pacific Beat
http://www.abc.net.au/radio-australia/programs/pacificbeat/remengesau-north-korea/9806252