やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本パラオ連合と大陸棚

日本パラオ連合というアイデアは、「頭がおかしいと思われるから誰にも言うな。」と言われていたが、なんと同じ事を笹川会長が述べていた!

ここにもいた。頭がおかしい人!

 

小島嶼国の自立には限界があってずっと支援しなきゃいけない、というような事を渡辺昭夫先生も以前述べられていた。私の発想はこの渡辺先生の示唆が発端だ。

笹川太平洋島嶼国基金のパンフレットに、「独立を果たした島嶼国は経済的自立模索し、云々」とドラフトしたのは20代の私であったが、小国の経済的自立の困難さを目の前で見て来ると、渡辺先生の意見に同意せざるを得ない。

 

日本パラオ連合は、大陸棚の観点からも重要だ、というご意見もある。

パラオと日本を結ぶ大陸棚の件は詳細を一切追っていないので、下記の論文を今日読んだ。

 

 

沖ノ鳥島を基点とする大陸棚限界延長申請への勧告 

― 国連大陸棚限界委員会の審査手続と中国・韓国の口上書 ―

外交防衛委員会調査室 加地良太、立法と調査 2012.12 No.335(参議院事務局企画調整室編集・発行)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2012pdf/20121203003.pdf

 

大陸棚限界委員会の勧告と沖ノ鳥島の戦略的重要性

〜中国の接近・地域拒否 (A2/AD) 戦略への我が国の対応〜

河村雅美,元海上自衛隊海将補

2012年6月26日配信【海洋安全保障情報特報】

https://www.spf.org/oceans/analysis_ja02/b120626.html

 

加地氏の論文は大陸棚限界延長申請の複雑さがよくわかった。そして最後の提案にある日本とパラオの共同申請が興味深い。

河村氏の論文は、中国の第一、第二列島線に挟まれる様にして沖ノ鳥島が存在する事が書かれていて、単なる資源の問題だけではなく、軍事的海洋安全保障上も重要である、という事だ。

 

日本パラオ連合 ー 非公式にパラオの知人友人に打診しているが、誰も異を唱えないどころか、進めたい、真剣に検討したいという反応である。