やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

太平洋は「北京の湖」と化すのか?(3)サモアの太平洋ゲームを支援

サモアのTuilaepa Sa’ilele Malielegaoi首相

トンガ首相が辞退を表明した2019年の太平洋ゲーム。 トンガ国内では未だにゲーム委員会と揉めているが、早速サモアが手を挙げた。 しかも中国から300億円弱の運営費を確保しているとのニュースである。 サモアには既に中国の支援でスタジアムが完成しているが、その維持運営が大変で2015年には中国から運営費の支援を受け、コモンウェルズ協議会をかろうじて開催することができた。

今回、サモアのTuilaepa Sa’ilele Malielegaoi首相によれば、中国の鄭沢光 (Zheng Zeguang) 外務次官と既に262 millionUSDの署名をしているとのこと。これは水産養殖所とスタジアムの運営維持費である。

China Reportedly Provides Samoa $262 Million To Maintain Sporting Facilities 05/22/2017

http://www.pireport.org/articles/2017/05/22/china-reportedly-provides-samoa-262-million-maintain-sporting-facilities

サモアからすぐ隣の米領サモアに、この4月25日、米国のペンス副大統領が訪問した。その際、現地政治リーダーから指摘されたのが、サモアに大量に入っている中国人の密入国とそれに合わせた麻薬やマネロンなどの越境犯罪だ。米軍も駐在する米領といえども、米領サモアの法執行は脆弱である。 即ち独立国サモアへの中国の覇権は、米国の安全保障にもつながっているのだ。