やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

PPBP空からの監視強化

1970年代から、即ち海洋保条約が協議されている頃から開始したオーストラリアのPacific Patrol Boat Program (PPBP)。 新たに名前をPacific Maritime Security Program (PMSP)に変えて、現在12の島嶼国に供与している監視艇を新しくし、さらには飛行機による監視も強化。加えて地域調整機能も強化する、(ってこれ10年間ずーっと言ってきたことですけど何もしていない。。)

Australia commits to Aircraft Surveillance capability for Pacific fishery management

BY PACIFIC GUARDIANS · 08/07/2017

http://pacificguardians.org/blog/2017/07/08/australia-commits-to-aircraft-surveillance-capability-for-pacific-fishery-management/

太平洋の違法操業監視の実態、オーストラリアの造船能力、監視能力、太平洋島嶼国の法執行能力の実態を知らない水産庁、外務省、国交省の役人に騙されてはいけません。

今太平洋で話題のベトナムの違法漁船。通称ブルーボート。

見つけたのは日本の水産庁の取締船です。

豪州の取締船はできませんでした。EEZの端っこまで行けなし、無線つけている「登録した船」しか取り締まれません。

オーストラリア政府の供与した船。しょっちゅう壊れます。

その度にオーストラリアまで持って帰ります。今は年間60日程度になりましたが、以前は年間30日日しか監視活動していませんでした。

以前、豪州の造船会社はカヌーも作れない、と本音を漏らした国防大臣が更迭されましたネ。

太平洋島嶼国の海洋法執行能力はここに何度も書いていますが数十人の規模。自分たちのEEZを見たことすら、取締の法律やノウハウが整備されていません。なぜか?豪州が知らないのです。豪州王立海軍は違法操業監視を担当していますが、漁業のこと知りません。

もちろん遠洋漁業の経験のない」太平洋島嶼国の人々は何も知りません。別にバカにしているのではなく実態を知らないと支援できない、という事です。

水産庁があるのは世界で日本だけです。(戦後米国の指導で作りました。)先ずは米豪に違法操業取り締まりのノウハウを教えてあげるのが先、のようにも思います。