やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

井上和彦氏の太平洋島嶼国に関する事実誤認

【DHC】2019/9/18(水) 井上和彦×藤井厳喜×居島一平【虎ノ門ニュース】 - YouTube

 

私は井上さんが太平洋島嶼国のことをメディアを通して広く知らしめていただいていることをディスカレッジするつもりは毛頭ないし、その活動を尊敬し、応援したい、という立場です。

で、ごめんね。黙ってられないし、黙っていてはいけないと思われる間違い。指摘させていただきます。
今日の虎ノ門ニュース。

1。ソロモン諸島はまだ英連邦のメンバーですし、エリザベス女王が君主です。
2。豪州海軍頑張っていますが、どんどんパトロールボートを送っているわけではない。というか過去30年頑張ってきたけど各国に送った1隻でさえまともに運用されていないので2008年には中止しようとしていたのです。それをすったもんだの挙句Pacific Patrol Boat Project - PPBP からThe Pacific Maritime Security Project (PMSP)に名称変更していますが、中身はそれほど変わっていません。すなわち、監視活動はほぼされていないも同然なので、現在日本が支援しているパラオのように水産庁の取締船派遣、海保の支援、加えて海自の出番を、米豪英、NZ 加えてフランスと行うべきです。

官邸に提出した提言下記にコピーします。
<対策案>

1.中国はインフラにどんどん手をつけて来るでしょう。日米豪は安全保障上譲れないインフラ、すなわち通信、空港、港湾をしっかり押さえること。
2.バヌアツ同様ソロモン諸島は100の島と100の言語があります。中国は離島に入り込んで分離独立を進めるでしょう。離島支援が必要です。
3.バヌアツが4千冊のパスポートを主に中国人に販売。中にはマカオのギャングもいて国際的ビットコイン犯罪を展開。現地の法執行を抑えている豪州を支援する形でさらなる法執行の強化を。
4.豪州王立海軍が基地にしているフォーラム漁業局がソロモン諸島にあります。違法操業取り締まりなど日米豪の海洋協力を強化。
5.ソロモン諸島の君主はエリザベス女王です。英国との協力もこの際強化すべき。