このブログがきっかけでお世話になっている評論家江崎道朗氏の新しい本の紹介がYouTubeであった。
戦前の社会は、保守自由主義 vs 右翼・左翼全体主義 に分けられるという。本はまだ読んでいない。
伊藤隆先生は ー 進歩(欧化)<ー>復古(反動)とう横軸に革新(破壊)<ー>漸進(現状維持) という縦軸を重ねる事を提案しているが、これに近いのではないだろうか?
そこで以前から気になっていた、沖縄独立運動を主導する龍谷大学松島泰勝先生の「振れ」を思い出した。
松島先生、パラオと北マリアナ諸島で、外務省の専門調査員をされていた関係で、当方が企画運営していた「やしの実大学」事業に協力もしてもらい、よく存知あげている。
ところが松島先生が2005年に東京財団から下記の報告書を出し、驚いてしまった。
大和魂がミクロネシアの開発に必要であるという提案をしている。
日本とミクロネシア諸国との関係強化に向けた総合研究
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/01032/pdf/0001.pdf
下記の目次だけで十分であろう。インタビューの手法も疑問だし、どういう基準でこれを書かれたのか?また東京財団はどういう趣旨でこの事業を進めたのか?
第6章 日本とミクロネシア諸国との関係強化に向けた政策提言 --------44
第1節 大和魂文化圏の発展 --------------------------------------------------44
第2節 大八嶋経済圏の形成 --------------------------------------------------45
第3節 海の生命線に基づいた海防政策の実施 ----------------------------------47
松島先生の沖縄独立運動の理論を知らない。だからミクロネシアに大和魂を勧める事と沖縄独立がどのようにつながるのか?もしくは振れるのわからない。そもそもこの東京財団から出したペーパーには「大和魂」の定義も議論もない。
松島先生の沖縄独立とミクロネシアの大和魂はどこかで繋がっているとすれば、それは江崎さんが言う「右左の全体主義」という見解ではなかろうか。変化を求めるが責任は持たない。
松島さんを知る八重山諸島の知人達は同様に松島さんの事を心配していたし、日本から独立なん有り得ないと言っていた。沖縄が独立すれば、八重山諸島などの離島が一番苦労をする。
まさに弱者切り捨ての提案なのだ。