私は八重山諸島を中心に10年以上、「やしの実大学」という事業を一人で企画し運営して来た。事業は結構有名だったらしく、多くの人から「やしの実大学」について説明されて、笑ってしまう。企画運営した本人を相手に知ったかぶるのあるから。しかし名誉な話だ。
この事業を利用したY氏が八重山に入り込んで自衛隊誘致に繋がってしまったのは私の本意ではないが、中国の東シナ海での現状を見ると、まあ良かったのかもしれない。。
八重山諸島、沖縄を理解する窓口は民族学、民俗学で柳田國男も少し読んだが何を言っているのか意味不明であった。この柳田批判も結構あり、国分先生もその一人と言っていいであろう。
『北の道 南の道』の中に「沖縄学への視点」という小論がある。これも20年ぶりくらいに再読した。南漸論的立場、日琉文化同系論の立場を止揚せよ、というのが国分の主張だ。
皇室にも影響のあった柳田の間違った神道の理解があるのではないか、とここは想像している。皇室はまともな学者のピーター・ベルウッド教授などから、まともなオーストロネシア語族を学ぼうとされている。これはご本人から伺った。
そしてナショナルイデオロギーの強い日本の民族観を打開するのは、繰り返すが南米まで数千キロの海を渡ってサツマイモとお嫁さんと鶏を持ち帰った海洋民族、オーストロネシア語族のインド太平洋の拡散を、科学的に理解することだと思う。