ニュージーランド学会での発表が無事(無事でもない。PCが動かず最初の10分が消えた)終了したが、終わった後も文章を色々書くようにご指示があった。
急に原稿が増えて、嬉しいやら悲しいやら。
発表の中で、反応があったのが歴史教育である。
これは最近の母娘喧嘩の成果であり、敵(娘)の秘密情報をまんまと入手しニュージーランド学会で発表する機会まで得た、母親のインテリジェンスの勝利である。
ニュージーランドの教育は日本とは大分違うのである。
今日も歴史教科書に云々という記事があったのでブログに書くこととした。
ある日学校から帰った娘が
「第二次世界大戦はパールハーバーを攻撃した日本のせいで始まったんだよね!」
と自信満々に発言した。
すかさず
「なに!誰がそんな事言ったの!理不尽な経済制裁を始めたのは米国よ。一体どんな歴史教育をしているの?」と母が激怒したところから約10週間の冷戦は始まったのである。
中立国の父は「第二次世界大戦はヨーロッパで始まったんだけどね。まあ、まあ。」と呟やき、あくまで中立を維持しているかのように見せかけている。しかし敵と秘密協定を締結し情報を提供している証拠は抑えた。(ふふ)
激怒した母に娘は一切口をきかない。聞いても何も教えてくれなくなった。
またお母さんの日本国粋主義が始まった。
太平洋島嶼国の首脳を手練手管で手玉に取ってきた私としては面目が立たない。冷戦中の絶え間ない交渉作業は最大の努力を要する。ついに敵の秘密文書を入手したのである。
ここにご披露しよう。
下記が教師から生徒に出された宿題。
社会に影響を与えた重要な歴史的イベントを選びなさい。(WWII, フランス革命など生徒は図書館やウェッブでサーチして決めるらしい。)
そして下記の作業をする。
○どういう出来事だったか?
○原因は何であったのか?
短期的原因と長期的原因
○結果は?
直接的結果から導かれた出来事は?
社会はどのように変わったか?
○貴女の個人的意見。
もしその時そこにいたらなにをしていた?
良い結果を得るために何ができた?
研究だけに留まらず、それをどのように発表するかまで課題である。
○ポスター形式で発表せよ。
注意事項:得た情報をどのように強化できるか?
発表によって情報を補足できるか?
冷戦中の母親のスパイ活動は徹底していた。
英語の教材らしき資料はもちろん「敵国日本」という論調で書かれていた。思わず投げた捨てた後に元の場所に戻した。
漫画しか見ない娘がシリアスな映画を見ている。ホットチョコレートを持って敵陣に潜入。ヨーロッパの戦争で犠牲になった子供や家族の話である。「この世界の片隅に」を一緒にみたいな〜と思った。
ニュージーランド学会での発表を控え、娘の先生にインタビューをする機会をえた。
第二次世界大戦の原因を巡る母娘喧嘩を報告し、一体どんな歴史教育をしているのか尋ねると
「お母さん、それが重要なのよ。そうやって色々な情報にアクセスすること、議論すること自体を学ぶのです。」
第二次世界大戦の原因がパールハーバー攻撃かどうかを学ぶのではなく歴史の学び方を学ぶのだ!
人それぞれ、時代によって、国によって、歴史の見方は変わる。
元々日本の歴史教育には関心がなかったが、教科書は捨てた方がいいんじゃないの?
そうそう、ニュージーランドには教科書がないんです!