このブログを読んでいただいてる多くの安全保障専門家から質問をいただいている。
豪州の太平洋海洋安全保障の件だ。多分豪州の専門家より知る立場になった。豪州の外務省官僚にこの前もブリーフィングし、なんと米国の大使にまでその歴史を講義するまで詳しくなってしまった!
豪州が1970年代から、即ち海洋法が議論され太平洋島嶼国が200カイリの広大なEEZ管轄する事になるそうな頃から、どうやってこの海域を監視するのか、という課題に対処するため、豪州はパシフィック・パトロールボート・プログラム(Pacific Patrol Boat Program) PPBPを40年近く太平洋で展開して来たのである。
しかし、笹川平和財団が、私が、羽生さんがミクロネシアの海上保安事業を開始しようとした2008年には、この事業を担当してきた王立海軍は「魚を追いかけるのは海軍の役割じゃない!」と匙を投げた時期だった。
スッタモンダの末、豪州はPacific Maritime Security Programと名称を変え、新造の監視艇の提供の他に民間に委託する形で空からの監視活動も加える事となった。
しかしこの事業が、ミクロネシア連邦政府の事務的手続きが理由で動いていない、というニュースである。
Grounded surveillance plane missed need for permit
February 17, 2018
飛行機にはSeadragonという監視用のレーダー探知機が付いており、ヤップからパラオに移動する必要がある、という。これが許可が出なかった? なぜ?中国と関係ないのか?
中国はヤップ海溝の調査活動をしているのだ。
太平洋島嶼国の海洋安全保障の一番大きな障害は、島嶼国政府である事は間違いない。
それは関係者は全員知っている話だ。
ところでミクロネシア連邦のクリスチャン政権は他にもおかしな対応をしている。
以前このブログでも紹介した、パラオーヤップも結ぶ海底通信ケーブルをヤップに繋げなかったのだ!信じられない。理由は資金提供元の世銀の言う事を聞きたくないから!
ウソみたいだけど本当の話。