やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

LawshipとWarship

 2008年にミクロネシアの海上保安事業を立ち上げる際、ミクロネシア地域で、と笹川会長に提案したのは当方だが、「海洋安全保障」という案は羽生元会長である。

 羽生さんの頭には海上保安庁があったのだ。 当時、法執行と自衛隊の違いもわからず、もしや自分が動く事で、ミクロネシアの、いや太平洋の海に日本の海上自衛隊が進出する道を作ってしまうのではないか、仕事辞めようか、と真剣に悩んだのだ。

 60年代、70年代の教育を受けた私は「軍靴の足音が聞こえる」という環境で育ったのだ。  国交省審議官だった羽生氏は「あくまで法執行で」、という考えだったので事業を進めた。

 今では海保と海自が綺麗に分かれているのは日本だけで、LawshipとWarship、世界基準では協力しあうのが当たり前である事を理解している。また月刊正論5月号に書かせていただた通り、小島嶼国からなる太平洋の海は無法地帯となっていてあらゆる越境犯罪の巣窟である事も理解している。

 日本の海保だけでなく、水産庁の取締船、海上自衛隊、総出で出てきて欲しいと真剣に思っている。 バヌアツの港湾に中国の軍艦が寄港することがニュースになっているが日本の海保でも海自でも水産庁でもどんどん寄港すれば良いのだ。寄港するだけで、その港街の周辺に産業が興るのだそうだ。

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夕暮れクルーズ「呉艦船めぐり」おすすめです。 ピンクのは世界最大級のタンカー。もうじきどこか外国に売られて行くのだそうだ。