やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ロームシアター建築ツアー

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             前川タイルはどちらでしょう?

1960年に完成した京都岡崎の京都会館

建築家前川國男の作品は戦後復興のシンボルのような存在だったらしく、その改築計画は京都中の建築家が反対したそうである。

京都の建築家の友人に誘われて反対集会に参加したこともある。その時は改築のスポンサーになった株式会社ロームの社長に対する誹謗中傷もあって、京都の町に似合わない下品な建物になるイメージを持った。

ところが完成した京都会館。今はロームシアターは以前の雰囲気を残しながら、断然綺麗に、使い安くなった。それに批判も何も聞かない。

ロームシアター建築ツアー」を改築を担当した建築家下川太一さんを講師に行われると聞いた。参加費千円。

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私は、反対運動について質問した。

私「随分ひどい反対があって、特にロームの社長の趣味が悪いとか云々とありましたが、どうでしたか?」

答えは意外だった。

下川さん「ロームは名前代で50億円払っただけで、会ったことも、意見を聞いたことも聞かれたこともありません。」

私(なんだ、反対運動は単なる誹謗中傷だった。金は出しても口を出さずタイプの資金提供である。)

下川さん「僕はなるべく反対集会に一聴取者として参加し、反対の意見を汲み取るようにしていました。」

そうか。下川さんは京都の人達が、特に建築家が変化を嫌っていたことを知り、なるべく建築家前川國男の作風を残すように努力されたのだ。

その例が「前川タイル」。これは千円払ってツアーに参加しないとわからなかった。なかなか前川流のタイルはできなかったそうだ。

 

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