やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

第3回韓国併合再検討国際会議 : 「合法・違法」を超えて

 

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     なんでこんなことまでして、と思っていたが植民地化を免れるために重要だった?

 
日韓問題。当方の指導教官の坂元茂樹教授が論文で書いていらしてざっと読んで難しい議論である、という記憶しかなかったがニュースになっているのでウェブで探してみた。日韓併合が合意か違法かという議論である。
出て来たのが木村幹教授の下記の論文。坂元先生が参加しなかった3回目の会議の内容である。なので読まないつもりが、論文ではなく報告書でさらさら読めたので、読み進めてしまった。
興味深いのがケンブリッジ大学のクロフォード教授の解釈だ。引用しておく。
「そもそも当時の国際社会においては、国際法は文明国相互の間のみに適用されるものであり、この国際法を適用するまで文明の成熟度を有さない国家に適用されるものではない。ー中略ー 極論するなら、通常そのような文明国と非文明国との関係のーすなわち植民地化ーそのものにおいて必ずそれが「条約」の形式を必要とする、とさえ言うことができない。」
え、そんな。韓国がカワイソウではないか。。この会議を準備したのは韓国側なのに。
クロフォード先生まだ続く。
「当時において寧ろ重要だったのは、このような特定の文明国と非文明国の関係が、他の文明国にどのように受け止められていたかの方であり、単純化していうなら、植民地において「法」が存在していたのは,正にそこにおいてのみ、であった。」
ここを読むと、要は英米が認めるかどうかで、鹿鳴館でドレス着て踊った意味がやっとわかったような気がした。日本が文明国かどうか?客観的な判断ではなく、欧州の世界観の中での主観的判断が唯一の客観的判断であったのだ。
 
木村幹 「第3回韓国併合再検討国際会議 : 「合法・違法」を超えて」日本植民地研究 142002-06 , 日本植民地研究会