対中強行政策を提案した連邦議員委員会2018年報告が発表された。
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報告書 2018 REPORT TO CONGRESS
of the U.S.-CHINA ECONOMIC AND SECURITY REVIEW COMMISSION
ONE HUNDRED FIFTEENTH CONGRESSSECOND SESSION
NOVEMBER 2018 Printed for the use of the U.S.-China Economic and Security Review Commission Available via the World Wide Web: http://www.uscc.gov
https://www.uscc.gov/sites/default/files/annual_reports/2018%20Annual%20Report%20to%20Congress.pdf
メディア等にこの報告書に対する評価は色々出ている。ヤップ、パラオ、インドネシア領パプアをつなぐ第二列島線に関する懸念の部分が気になる。下記の2箇所。
China continues to develop and eld medium- and long-range air, sea, and ground-launched missile systems that substantial- ly improve China’s capability to strike both xed and moving targets out to the second island chain. China’s ability to threat- en U.S. air bases, aircraft carriers, and other surface ships pres- ents serious strategic and operational challenges for the United States and its allies and partners throughout the Indo-Pacific.
Challenges in the maritime domain: China’s maritime forces in the Indo-Paci c are among the most pressing areas of concern for U.S. allies and partners in the region; they increasingly out- number—and in a number of areas are more advanced than— their neighbors in the region.206 PLA maritime operations are becoming more frequent, challenging U.S. regional presence and operations while raising the potential for accidents and mis- calculation.207 Routine U.S. air and maritime operations in the Western Paci c and beyond are monitored and increasingly con- tested by modern Chinese ships and aircraft.208 Furthermore, China’s growing ballistic and cruise missile capabilities enable the PLA to challenge INDOPACOM’s ability to operate with- in the second island chain, and the continued modernization of these forces may soon hold U.S. and allied forces at risk beyond the second island chain.
中国の長距離空、海、ミサイルシステムは容易に第二列島線も到達する能力がある。
そして第二列島線を超えてインド太平洋軍と同盟国に脅威を与えるだけの軍事能力を備え、西太平洋での米国の海、空での活動は中国によって監視され、挑戦を受けている、とある。
2008年にミクロネシア海上保安事業を立ち上げた自分にとって憂慮すべき件である。
この事業は、2008年にPACOMのキーティング司令官が中国軍が太平洋分割案を提案したことを公聴会で報告した事に対して、日本財団の笹川陽平氏が太平洋共同体をという提案を書いた事に始まる。その際、私は笹川氏から意見を求められ、太平洋共同体はまずは日米同盟を鑑みてミクロネシアでと提案した。そのことは笹川さんの正論にそのまま盛り込まれいる。その後この正論を下に、国交省からの天下り羽生次郎氏がミクロネシア海上保安事業を発案。私が3カ国大統領を動かしましょうと提案し、半年も経たずに事業が開始した。
しかしいつの間にかこの事業から中国に対する「懸念」は消えた。日本財団でこの事業を担当する海野常務は笹川氏が書いた正論の存在も内容も知らなかった。それどころか私に対し中国を表立って批判することを控えるように言われたのである。
一体何があったのか?これは大きな驚きであった。
対中懸念をどのように表すか以上に当方が憂慮したのが、この地域の高度な安全保障政策を、この事業を財団で担当しはじめた国交省、海保からの出向者が一切知らない、語らなことである。対中国のハイポリティクスの事業が、国交省、海保の利権事業に成り下がってしまったのだ。
しかも、当該地域の安全保障を理解しない彼らは、沖縄の漁師の漁場を奪い取るような、また海洋法条約に疑義のあるパラオの海洋保護区に何の疑問を持たず支援してしまったのだ。国交省が、日本財団が海洋問題を理解していないことがわかってきて愕然した。
背筋が凍るような話だが官邸の海洋政策に影響していることはさらに憂慮すべき事である。官邸には諮問委員会はあるものの海洋問題の専門家はいないのだ。