やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

IWCと豪州の南極権益

FB, TWに書きましたが、結構みなさん知らないのと、メディアも一切触れてない、でも関心が高いようなのでこちらにも貼っておきます。

 

捕鯨問題の本質はここ!
豪州が勝手に主張する南極大陸のEEZ
 

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それから
平成27年の水産庁から出している調査委捕鯨海域。まさに豪州が主張するEEZに重なっている。水産庁豪州に喧嘩売ってる!(笑)

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豪州政府は、日本が南極に来なければ捕鯨に反対しない、と言っていたのだ。私も何度か豪州高官から直接聞いた事がある。これを文書で確認したのが故小松一郎氏の『実践国際法』。ブログにメモだけしてある。

 

南極大陸に領土宣言をしているのは他にフランス、チリ、アルゼンチン、イギリス、ノルウェー、ニュージーランド。IWCの詳細を知らないがこれらの国の多くが反捕鯨国ではないか?

南極条約で領土権主張の凍結(第4条)となっているが、国家実行は無視できない。豪州が勝手にEEZを制定した事は各国から批判が出ているようだ。(未確認)そこに日本の調査捕鯨が入り込む。それは豪州、また領土権を主張している国々は心穏やかではないであろう。

問題はこれらの領土を主張している国に、海洋能力がない事だ。さらに気になるのは「海洋強国」をうたう中国の南極進出である。これはかなり英文のニュースに出ているが日本ではほとんど報じられていない。

よって、日本はIWC脱退と共に南極周辺から手を引くのではなく継続して様々な活動を、できれば英、仏、米、豪などと協力して行っていく可能性を模索できないだろうか?