やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

逃した魚は誰が取る?

【DHC】2019/11/26(火) 百田尚樹×山田吉彦×居島一平【虎ノ門ニュース】

 

 海洋法を学ぶものとして、日本のEEZの広さを強調する山田吉彦さんの立場は素直に支持できないのだが、今回の百田さんとの番組はよく言ってくれた、よく教えてくれた、と感謝、感動しています。

 以前、卸業者の生田さんが出演し、日本の漁業や水産行政を叩いていたが、日本が取らないで逃した魚は大きくなる前に近隣諸国のpredatorたちがとってしまうのだ。番組で百田・山田両氏が強調しているように彼らは国際法も規則も関係ない。

 だからと言って日本の漁師が好き放題をして良いわけではないが、日本の水産業が行きすぎた規制で潰れてしまっては、元も子もないのだ。
 これも番組で両名が指摘していたが、労働規制も環境規制も御構い無しの近隣諸国と、労働者から船の管理まで真面目にやっている日本とは競争できない。安い水産資源が(しかも違法に日本のEEZでとったかもしれない)日本に入ってきたらダブルパンチなのだ。
 加えて中国政府の水産事業への助成金の額を聞いたら、まさに水産業が中国の「世界海洋侵略」に繋がっていることがわかるであろう。
日本の漁業を守ることは日本の沿岸地域だけでなく世界の安全保障とも密接に繋がってくる。

 

 最後に宣伝になりますが、1月8日の第4回インド太平洋研究会 オフラインセミナーでは、講師にお迎えする水産研理事長の宮原さんからそんな話も出てくるかもしれません。 お席残り10席ほどになりました。

 

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