やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

アメリカ版島嶼議連の動き <青い太平洋法案>

あれほどの犠牲を日米のみならず現地にも近隣諸国にも出しておきながら、冷戦終結後のアメリカの対太平洋政策は酷いものだった。その真空に中国を招いたのは米国だ。

そんなアメリカが昨年、超党派の太平洋島嶼議連を設立。1年経ってBlue Pacific Act.を提出していた。中心人物はハワイ出身のEd Case民主党議員。奥さんがオードリー・ナカムラさんという日系三世で、どうでもいいかもしれませんが、すごっく綺麗な方なのである。で、ケース議員、日本の太平洋島嶼関与を高く評価されている。

古屋圭司議員率いる日本の島嶼議連とタグを組まない手はないと思う。インド太平洋研究会でも米国との協力を強く主張している。

 

US Congressional Pacific Islands Caucusが2019年7月に設置。中国の台頭を意識した超党派グループ。

 

2020年7月22日に米国のNGO, United States Institute of Peaceが主催したビデオ会議。ここでケース議員の公演が1時間近く聞ける。


https://www.usip.org/events/next-era-us-pacific-islands-engagement

 

2020年7月30日に提出されたThe BLUE Pacific Act 青い太平洋法案。太平洋諸島フォーラムのBlue Pacificに敬意を示したタイトルらしいが内容は全然違いっていてホッとした。

www.youtube.com

Case Leads Introduction of Next Generation Framework for United States Policy in Pacific Islands Region | U.S. House of Representatives

1 太平洋諸島における米国の外交・開発プレゼンスを拡大する。
2 違法・無報告・無規制漁業を含む地域の海上安全保障、多国籍犯罪、法執行の問題に対処するため、米国の安全保障協力と支援を拡大する。
3 米国とこの地域の間の二国間・多国間貿易を深化・多様化させ、この地域のための貿易能力構築プログラムに投資する。
4 公衆衛生、教育、インフラ、気候変動への耐性と適応などの分野で地域の経済・社会開発を支援する。
5 志を同じくする同盟国や米国のパートナーの努力を含む、既存の地域の制度や枠組みを基盤とする。
6 報道の自由や男女平等などの価値観の共有を促進する。
7 人と人とのつながり、市民社会を強化する。