やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(3)

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今回のサモア首相選挙の背景あるのは、やはり中国だったのだ。新首相によって中国が進めようとしていた新しい港開発は棚上げになる。また下記に機械訳した通り新首相は米国との関係を改善する模様。サモアのすぐ隣には米領サモアがあり、米軍基地もある。以前より中国人による犯罪が、サモアから流れて来ていることが噂されていた。

今回の選挙は、パラオ同様米国の関与があったはずだ。すごい、米国太平洋をしっかり抑えにかかっている。

 

劣等生は時に圧倒的な勝算を持って大国に挑む。彼らにとっては、力よりも精神が重要なのである。同じような光景がインド太平洋でも展開されている。

インド太平洋には何十もの小さな島々があります。彼らには常備軍もなければ、最新鋭の武器もありません。しかし、力の不足を精神で補っている。

そんな島のひとつがサモアです。2,800平方キロメートルのこの島には、20万人の人々が暮らしています。自給自足の小さな国である。しかし、その立地条件が中国をはじめとする大国を惹きつけている。中国は、この島々を自国の前哨基地にしたいと考えている。

そのための第一段階が小切手外交である。

中国はサモアにとって最大の債権者である。債務の40%を占めている。その額は1億6千万ドル。

第2段階は、戦略的資産の構築。

そのために中国は、サモアのトゥイラエパ・マリエレガオイ首相に声をかけた。彼はかつて、「中国の借金のつけを払うのは太平洋諸国だけだ」と言っていた人物である。だからこそ、彼は中国を喜んで迎え入れた。

彼のリーダーシップのもと、北京はサモアで1億ドルの港湾プロジェクトを獲得した。中国は、この港のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)を行う準備をしていた。

しかし、その時にパンデミックが発生したのです。そのため、中国は国境が再開されるのを待たなければならなかった。

因果か偶然か、中国自身の武漢ウイルスがサモアで足を引っ張ってしまったのだ。そもそも港のプロジェクトは人気がなかった。昨年、サモアの経済が打撃を受けたこともあり、世論が変化した。

その変化は、4月に行われた議会選挙ではっきりと現れた。親中派の首相が更迭された。後任には野党党首のフィアメ・ナオミ・マタアファ氏が就任しました。彼女は金曜日に就任する予定である。

サモアの新リーダーは闘志にあふれている。彼女は、初の女性リーダーです。彼女はサモアの政治的王族の出身です。彼女の父親はサモアの初代首相である。そして、彼女が歩む道には、この血統がすべて必要になる。

なぜなら、フィアメ・マタファは中国に対抗することを決めたからだ。彼女は新港プロジェクトの中止を約束した。

"サモアは小さな国です。海港と空港で必要なものを賄っています。政府が優先すべきもっと緊急性の高いプロジェクトがあるのに、このプロジェクトで提案されているような規模が必要になるとはとても思えません」と最近のインタビューで語った。

サモアの新首相は、中国の思惑を見抜いている。

中国は、実際には必要のないものを建設するように各国を説得する専門家である。海港、空港、道路、貿易ターミナル。

これらのほとんどは単なる借金のカタマリだ。支払いが終われば、中国が所有権を奪いにやってくる。これを避けるために、サモアは関係を多様化しようとしている。新首相は、中国に対抗するために米国との関係を改善することを約束した。

北京に立ち向かうのはサモアだけではない。先月は、太平洋の小さな島、パラオが登場。この島の大統領は、北京からの電話にも出ないと言っている。

もっと多くの国がこのような姿勢を示す必要がある。しかし、彼らは中国からの報復を恐れている。そこで、民主連合の出番。

太平洋の島々が中国に近づいていったのは、他に選択肢がなかったからだ。この影響に対抗するためには、アメリカ、インド、オーストラリアといった国々が、中国と同じことをしなければならないが、債務の罠はない。

負け犬たちは戦うことを望んでいる。彼らに必要なのは、観客の支持だ。