やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

レメンゲサウ前大統領、罰金不払いを責められる

islandtimes.org

パラオのレメンゲサウ前大統領が数々の不正に手を出していたことは、太平洋中の専門家の常識なのだが、なぜか日本人、肝心の外務省が知らない。

太平洋島嶼国の首脳たちは、マフィアもアラブの王様もロンドンのシティも手玉に取るようなしたたかさをもっている。そうでなければ小国、やっていけない。

 

お花畑の外務省島班長の認識に数日呆然とした経験がある。

「だって、レメンゲサウ大統領は質素な家に住んでいるんですよ。かたやスランゲルは大豪邸に・・」

「え?? レメンゲサウ大統領がラスベガスかどこかに豪邸を何軒か持ち、自分の愛人を国連大使にしている話は世界の外交部局が知っていて、側近でさえ嘆き、落胆している件ですが・・」

日本国は素人が外交をやっているのです。

 

レメンゲサウ大統領、異例の4期を務めた。1994年の独立後、ナカムラ大統領の指導力で国家が運営され、レメンゲサウ氏は副大統領としてナカムラ氏をフォロー。2001年にナカムラ政権を引き継いだが、環境保護派になってしまった。これをナカムラ大統領は嘆いていたのを覚えている。さらに台湾の陳総統とのマネロン事件が世界のニュースになった。2008年で2期目を終えたが、次に選ばれたトリビオン大統領が国民の期待を裏切った。その後を異例の3期目として、現ウィップス大統領の父親の支援を受けて当選。ウィップス大統領の奥さんはレメンゲサウ氏の妹だ。

2016年からはがウィップスのはずだった。紳士協定があった。しかし・・・

笹川陽平氏が干渉した。干渉してはいけない大統領選であったにも拘らず・・私が必死の思いで止めたにも拘らず・・

 

いったいどんな罪状で過去に有罪となったのか。

<前大統領は2009年に、2002年と2003年に取得した特定の不動産を、倫理規定に基づいて報告しなかったとして起訴されました。裁判では、10件の訴因で有罪判決を受け、未公開の不動産の2002年の評価額である15万6,000ドルの罰金を科されました。>

レメンゲサウ大統領側は、この罰金が大過ぎると不満を示し、不払いだったのだ。もちろん罪状はこれだけではない。みんな知っているのだが誰も言わない。北の瀬取りを支援している便宜置籍船ビジネスもレメンゲサウ氏であることは皆んなしっている。日本の外務省だけ知らないであろう。

エイプリル・ドーン・クリップス特別検察官がどこまで追求できるか?国民は期待し、また不安に慄いてもいる、のだそうだ。