やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ギャンブル

ギャンブル

「一体その資金源はどこか?」

「ギャンブルです。モーターボートレイシングです。」

というと眉をひそめる人、唖然とする人、大笑いする人、いろいろな反応がある。

 今回訪ねたキャンベラのお役人、軍人、学者さん達は一様に大笑いした。

 オーストラリア人もニュージーランドもギャンブル好きだし、公営ギャンブルでオペラハウスが建ち、ボランティアのコーストガードの主要資金源はロットの収入である。

 なぜ民間がギャンブルを?という問いはまだ受けてないが、答えは用意できている。

 戦後、吉田茂首相が大のギャンブル嫌いであったこと。同じく戦後、公営ギャンブルをゼロから立ち上げることが当時の役人には手に負えなかったであろうこと。等々。

 では、なぜ今も民間が?と問われれば、私は以前加藤秀俊先生から直々に伺った話をしようと思っている。

 

 それは、遠隔教育の調査委員会を立ち上げるに際して加藤先生に委員長をお願いに訪ねた時の話だ。向こうから切り出した。

 「笹川ね。以前笹川潰しを目的とした公営ギャンブルの調査委員を依頼されたことがあったのです。横並びで公営ギャンブル調査をした結果、一番きれいだったのが船舶振興会だったんです。」

 財団に入って2、3年目だったと思う。色眼鏡で見られることも多かったのでこの情報にはホットさせられた。

 加えて、事業仕分けを見てもわかるように必ずしもお役人が信用できるわけでもないケースは幾らでも出せそうである。

(文責:早川理恵子)