こどもができて嬉しいこと、楽しいことがいっぱいある。
一つが再び道草をするようになったことだ。
道に落ちているドングリを拾ったり、猫を追いかけたり、海を眺めるため立ち止まったり、目的地になかなか辿り着かない。
いつから道草をしなくなったのだろう。
社会人になるまで、働くまでは死ぬほど時間を持て余していた。
それまでは結構道草をしていた、と思う。
学校をサボってにそのまま電車に乗って終点の逗子まで行ったこともあったなあ。
働くようになって、時間があっと言う間に過ぎる様になった。点と点を脇目も振らず一直線に進んで結ぶ。効率的、効果的な行動が優先する。時間の無駄か、人生の無駄か。
・・・われわれは、日々、時間を無駄にするなと教えられる。だが、人生を無駄にすることについては意に介しないのである。・・・
永井陽之介 『時間の政治学』より