やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

一の行動から百の議論へ

この10月、海洋安全保障の新秩序に関する研究会を発足させた。

 座長に猪口孝教授、委員には海洋政策財団の寺島常務、前内閣官房総合海洋政策本部事務局長の井手憲文氏、早稲田大学の河野真理子教授、前アジア太平洋安全保障研究センター研究員(ホノルル)で現在は立命館大学教授の佐藤洋一郎教授等、蒼々たるメンバーを御迎えできた。

  この研究会、昨年末、羽生会長に提案させていただいた。

 ミクロネシアの海上保安案件は「走りながら考える」羽生式で進めて来たが、笹川平和財団が海洋問題を扱うのは初めてのことである。

 極端に言えば、百の議論をすっ飛ばして一の行動から始めた。

 自分なりに勉強してきたが、広く情報を共有し、協議する必用がある、と切に感じたからである。

  没かなと思っていたところ、羽生会長が派手に立ち上げてくださった。米豪を入れた国際研究会に仕立てた。目指すはIMO等の国際機関への提言である。

 ミクロネシアの海上保安案件を動かしながらの議論になるはずだ。提言だけでは終わらない、いや、終わらせない、と考えている。

 

 

 「羽生会長にまともに付き合っていると続かないよ。」

と最近アドバイスをいただいた。確かに、息、絶え絶えである。

 他方、自分の提案が事業になった、と思うと感謝の気持ちで、気合いが入る。