やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

継続は力なりー仕事を続けていてよかったと思う月曜日の朝

 月曜日の朝である。

 ポナペの豪州海軍海洋アドバイザーからメールをいただいた。

 豪州政府は太平洋島嶼国にPacific Patrol Boat Program を展開し、現在のところこれが唯一の太平洋島嶼国が持つ海洋警備機能。

 ポナペ州はミクロネシア連邦の首都。他にコスラエ、チュック、ヤップの4州からなり、豪州政府は3隻のパトロールボートを寄贈している。(下記参照)

 メールはこの3隻にHFemail systemを導入する事を決定。また米国NOAA等が検討している気象情報ICTシステムの応用・共用にも強い関心がある、という内容だった。

 

 ヤッター! 

 ミクロネシアの100以上の離島を結ぶHFラジオネットワークは私の努力の成果なのである。助成先のグアム大学がこの海洋アドバイザーにつないでくれ、彼から直接メールが来たのだ。

 継続は力なり。こういう時が仕事を続けていてよかった、と心から思える瞬間だ。

 

 このHFラジオネットワークを利用し、NOAAや世界気象機構等が離島の警報システム開発を検討している。来週の出張ではホノルルでNOAAの責任者とも面談することが決まった。

 Dr ルブチェンコ長官率いるNOAAは2年前に発表した米国の新海洋政策の中心的存在だし、気象、海洋、漁業資源の情報を管理している。世界最大の米国EEZの40%は太平洋にある。

 ミクロネシア3国が独立する際にいくつかの米国政府機関に留まって欲しいと頼んだ。その一つがNOAAである。

 

(ミクロネシア連邦) 供与年、船名、寿命年の順

Mar-1990 “Palikir” – 2020

Nov-1990 “Micronesia”- 2020

May-1997 “Independence”- 2027

(マーシャル諸島)

Jun-1991 “Lomor”- 2021

(パラオ)

May-1996 “Pres. Remeliik”- 2026