やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

【速報】ミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定

【速報】ミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定

 

 7月25-28日にポナペで開催された第15回ミクロネシア首長サミットでミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定することが決議された。

 同決議は鮫のヒレを保有、売買する事も禁じる地域禁止協定を策定する事を含む。同協定は750万平方キロメートル(300万平方マイル)の広大なミクロネシアのEEZ をカバーすることになる。(対象地域:パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、グアム、マリアナ諸島)

 

 世界初となる地域鮫保護地区制定のための海洋保護実施へ向けた戦略枠組みは、2012年12月施行を目指して策定される。

 この9月開催の国連総会で、パラオのトリビオン大統領がミクロネシア地域鮫保護地区についてスピーチを行う予定。国連決議に盛り込むべく準備も進められている。

 

 ミクロネシア首長会議は8年前から開始され、年2回開催されてきた。ミクロネシアの沿岸を保護する地域協力事業”ミクロネシアチャレンジ”が既に進められ、アジアのコーラルトライアングル、カリビアンチャレンジなど世界が追従している。

 

 今回の首長会議では初めて公式ウェッブサイトが作成されており、トップにはCNNの鮫ニュースや米国の環境NGOピュー財団のロゴが入っており、ピュー財団の影響が垣間みれる。

 ピュー財団と言えばNOAAのルブチェンコ長官をバックする影響力の強い環境財団だ。

 他方ミクロネシアチャッレンジはこれも米国の環境団体The Nature Conservancyがバックアップしている。

 要はミクロネシアの海洋問題とは米国との関係である、とも言える。

 

<参考記事>

Regional Micronesian shark sanctuary seen by 2012

MONDAY, 01 AUGUST 2011 03:07 BY THERESE HART | VARIETY NEWS STAFF