やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ミクロネシア自由連合協定の終結とPPBPの終結

オーストラリア出張の報告書を作成中だが、ブログに小出しで紹介したい。

豪州国防省との面談で興味深い指摘があった。

現在豪州はミクロネシア3国に対し下記の5隻の警備艇を供与している。

これらが寿命を迎えるのが2020年から2027年である。

豪州政府はPPBの寿命が尽きたところで、PPBPを終了することで合意している。

だからこそ、次の戦略が必要なのだ。

指摘されたのは、この寿命の時期と米国とミクロネシアが締結する自由連合協定の終了年ー2023年が近いことである。パラオは50年の協定を締結したため2045年と離れてはいる。

財政難の米国は2023年以降、この自由連合協定を延期する意思はない、という。

そうすると何が起こるか。

フィジーと同じ状況が生まれるであろう。中国やロシア、アラビア諸国がミクロネシア3国の政治、経済、安全保障を支援、即ち関与する事になる。

日本が沖縄の米軍に拠出している予算が年間2billionUSDを優に超える事、いろいろ合わせると15billionUSD位にはなることを豪州政府は知らなかった。

この1%でもミクロネシアに回せば大きな効果が得られるのである。

豪州外務省の太平洋担当Assiatnt Secretaryの目の色が変わった。

やはりこの事業は日米同盟をミクロネシアで展開することにつなげていくことが、テーマなのである。

(Federated States of Micronesia) 

Date of provided / End of boat life / Name of Boat

Mar-1990 / 2020 / “Palikir”

Nov-1990 / 2020 / “Micronesia”

May-1997 / 2027 / “Independence”

US Compact expire in 2023

(Republic of Marshall Islands)

Jun-1991 / 2021 / “Lomor”

US Compact expire in 2023

(Republic of Palau)

May-1996 / 2026 / “Pres. Remeliik”

US Compact expire in 2045