ここ数日、グアムの無差別殺人事件が心から、頭から離れない。
グアム大学との新しい動きがあり、ちょうどこの1週間は毎日のようにグアムと連絡を取っている。
事件のあった場所は、昨年12月自分がグアムを訪問した時にいた場所だ。
子どもをかばって亡くなられた母親の話には胸が引き裂かれる。
ミクロネシア、太平洋島嶼国の最大の社会問題は人口問題。増え続ける青少年問題である。
麻薬、十代の妊娠、暴力、自殺。南の楽園には似合わない課題が山積みだ。
笹川太平洋島嶼国基金も過去に太平洋青年協議会の設立等を通じ、微力ながら青少年問題の支援した経緯がある。
しかし、今回のように観光地の、観光客を狙った犯罪というのは始めて聞く。
犯人の複雑な背景があるようだ。グアム先住民のチャモロとパラオの血を引く青年らしい。
これから犯罪の詳細が明らかにされていくだろう。
ピラミッド型に増えていく青年人口は小さな島で行き場もなく、また島の恒常的で不安定な経済は多くの失業者を生み出している。
グアムの軍事増強の動きは島の経済や社会にアップアンドダウンの影響を与えているようだ。今回の事件とは勿論直接関係がないとは思うが。
ミクロネシアの青少年問題を研究しているフランシス・ヒーゼル神父の論文を和訳して基金のウェッブに掲載してある。古い資料であるが今回の事件の背景を知る参考になると思う。
基金はヒーゼル神父が運営していたミクロネシアンセミナーのデジタル化を支援してきた。
http://www.spf.org/yashinomi/micronesia/lecture/index.html
また、以前基金がキリバスの合気道支援した時の峰岸睦子師範は今グアムで青少年に合気道を指導している。
峰岸さんはヒーゼル神父同様、太平洋の、特にミクロネシアの青少年の問題に心を砕いてきた方である。