やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Japan as a Colonizer - Inazo Nitobe

今日は朝からフィジーのイノケ外相(在日大使をされていた)に「日本は中国とインドに対して悪魔の行いをしてきた。二度と両国と友人関係にはなれない。」とTWされてショックを受けている。

日本が旧植民地で何をしてきたか。

新渡戸稲造が「植民者としての日本」という英文のペーパーを出している。1912年だ。

当時、既に日本への批判、猜疑心が米国の中に生まれていたようだ。

新渡戸によれば、当時台湾は李鴻章から、首狩り族と麻薬と、強盗だらけで、決して統治できる代物ではない。日本は気の毒である、とまで言われているような状況であった。

日本はこの状況を数年で改善し、台湾の北から南まで、女性一人で旅をしても大丈夫な程安全な場所にした。

新渡戸は、首狩り族対策、強盗対策、麻薬対策、衛生改善等々、李鴻章が統治不可能と言った問題を日本がどのように解決して行ったのか詳細に述べている。

日本統治前の台湾では、強盗は体格がよく、店の前に立って商売の邪魔をしていた。これに困った商人はお金で解決していた、という。新渡戸は同様な光景を満州でも見た、と書いている。

新渡戸稲造の植民地論でアダム•スミスを参考にしている事があまり、というかほとんど議論されていないようである。この"Japan as a Colonizer "もあまり引用されていなように思うが、当方の勘違いであって欲しい。

日本が悪魔的行いをしたかどうか、という問題よりも、そのような情報が外相レベルに浸透している事を日本は憂慮すべきである。

Japan as a Colonizer - Inazo Nitobe 

ここに全文があります。

http://archive.org/stream/jstor-29737924/29737924_djvu.txt