本を返さなければならなくなったので、先にメモだけ。
岩波講座 近代日本と植民地4 統合と支配の論理
(大江 志乃夫,浅田 喬二,三谷 太一郎,後藤 乾一,小林 英夫,高崎 宗司,若林 正丈,川村 湊 編集委員)2005年
この本の中に新渡戸稲造、矢内原が結構出て来る。
この岩波講座シリーズは、4巻しかまだ見ていないので、他の巻にも出ているのかもしれない。
まずは矢内原研究、特に南洋群島研究の第一人者であろう今泉裕美子氏の「南洋群島委任統治政策の形成」
それから、以前目が点になった、と紹介した北岡伸一氏の「新渡戸稲造における帝国主義と国際主義」
矢内原忠雄の弟子、村上勝彦氏の「矢内原忠雄における植民論と植民政策」
これは数少ない、アダム•スミスの事が触れられている論文だが、スミスが全然掘り下げられていないのは残念。
それから金子文夫氏による「戦後日本植民研究史」に南洋群島が2頁位だか取り上げられている。
こうして見ると新渡戸、矢内原の植民研究を対象とした研究論文は結構あるようだ。
ただ気になるのはこれらの研究の理論枠組み、即ちポジションである。
誰もアダム•スミスの植民論を論じていないようなのだ。これなくして、新渡戸、矢内原の植民研究は議論できないハズ、なのだが。。。