やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

島サミットの流れを変えた第6回

笹川陽平に「早川に聞け」と言われて連絡をくださった、外務省大洋州課課長がもう一人いる。

飯田慎一氏である。お会いした事はない。白山のレストランで奢ってもらってはないが、ちゃんと事後報告してくださり、この方も官僚に珍しく礼儀のある方で、感謝している。

普通官僚は照会をしておきながら事後報告なんかしない。

 

当方が前回の第6回島サミットに提案したのは米国の参加と海洋問題である。

これが両方とも議事に取り上げられた。

 

米国の50%以上のEEZが太平洋にあるのである。

そして、島サミットのカウンターパートであるPIFは豪NZ即ち英連邦系で、米国とのつながりが強いミクロネシア3国はメンバーになっているものの、居心地が悪い状況だ。

平たく言うと、下記のような違いだがこの小さな、どうでもよいさそう違いは相当気に障るようである。

 

ラグビー vs 野球

ビスケット vs クッキー

トマトソース vs ケチャップ

 

後は学校や金融、その他の社会システムも米英の違いは明確だ。

 

 

結果、前回の島サミットに米国の参加があったが、具体的な動きまでには繋がらなかったようだ。今回の島サミットでは是非米国の具体的関与を提案したい。米国もクリントン長官が「太平洋の世紀」と唱えておきながらほぼ、何もしていない。パラオの米国大使は、議会が1年以上保留したあげく、日本の天皇皇后陛下訪問を控え、慌ててこの12月に着任が決まったくらい。日本からの良い意味での圧力を米国も期待している、と思う。

 

PEWのようなプロパガンダ組織にやられる前に(もう相当やられているが)日本の水産外交(漁師保護から海洋資源保護に重点を置いた)を進めるべきである。

PEWが、デカプリオが、そしてポールワトソンが「カワイイ」と言っている、鯨、イルカ、亀、ジュゴン、サメを食べる習慣は太平洋島嶼国の伝統でもある。