やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

島サミットとフィジー

島サミットとフィジー

2006年のフィジーのクーデター以来、島サミットへの参加が見送られたと理解している。

特に前回の2012年は豪州政府が日本政府(野田政権)に圧力をかけたとの見解がフィジーのニュースにあった。

島サミットにパプアニューギニアとフィジーが参加しなかったワケ

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/601

昨年9月の選挙を終えたフィジー。過去の太平洋のレジーム、即ち豪州NZを中心とする英連邦レジームに戻るかと、即ちPIFに戻るかと思ったら戻らなかった。豪州NZのいるPIFに戻りません、と。

そうなるとPIFをカウンターパートとしている島サミットへの参加はどうなるであろうか?と気になっている。

Fiji Sunに本件に関して在日フィジー大使のインタビューが掲載されていた。インタビューはPacific Islands SocietyというNGOが昨年の10月に実施したもののようである。

Focus: What Palm Summit Means To Fiji

http://fijisun.com.fj/2015/01/30/focus-what-palm-summit-means-to-fiji/

島サミット参加について、大使は

“Fiji’s attendance at PALM7 is not a foregone conclusion. Fiji will have to be invited first.”

と述べている。とても島人らしい回答である。

急に招待されたからと嬉々として参加するかどうかはわかりません。そりゃそうであろう。過去に面子を潰されたのだ。

しかし次のコメントが参加の意向がある事を臭わせていないだろうか?

Japan did not terminate its diplomatic relations with Fiji following the change in government in Fiji in late 2006. This was in sharp contrasts to other countries, which suspended diplomatic relations with Fiji.

This was a sign of maturity in Japanese diplomacy because they kept the door open for dialogue with Fiji – which was essential in promoting understanding during those difficult days. The first few years 2007-2012, were difficult years in Fiji – Japan bilateral relations. Since the Japanese Parliamentary Election in December 2012, the new Japanese Government has been more willing to engage with Fiji.

日本は豪州NZが制裁を加えたのと違って常に対話の窓口を開いていた。特に安倍政権になってフィジーへの関与を強めている、と大使は日本の対応を評価しているのである。

日本政府にはフィジーPIFメンバーであろうがなかろうが、正式招待する事を提案したい。できれば議長国日本の安倍総理パラオのレメンゲサウ大統領と共に参加要請をしたらどうであろうか?これでフィジーの面子は立つ。

PIFは元々フィジー島嶼国の声を優先させるために設立した組織である。その意味でもフィジーは特別なのだ。

そしてそれは結果的に、bullyな態度を取ってきた豪州、NZに地域協力における真のリーダーシップの在り方を示す事になると思う。