やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオの海上保安

以前お伝えした「謎の中国船、パラオで廃棄か?」は、まだ、パラオの海に浮いているようだ。

しかし、その全貌は段々明かされてきた。

"Palau government grappling with abandoned Chinese cruise ship"

http://www.radioaustralia.net.au/international/radio/program/pacific-beat/palau-government-grappling-with-abandoned-chinese-cruise-ship/1415911

昨年のPIF総会パラオ開催の際に、総会参加者のホテルが足りないという話になり、レメンゲサウ大統領に船の提供の話があった。持ち主は米国市民の中国人(しかもブッシュ氏の友人)。最終的にパラオ政府はこの申し出を断った。しかし、なぜかこの船が総会終了後の数ヶ月後に突如パラオに現れてしかも乗り捨てられた。現在持ち主と交渉中との事だが、持ち主は引き上げるにしてもクルーがいない、とか言って、期限をズルズル延ばしている。

海の事はよくわかりませんが、どこからともなく、EEZではない領海にこんな大きな船が勝手に入る事は許されるのでしょうか?しかも乗り捨て。

日本だったら海上保安庁がしっかり対処しますよね。

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2013年にパラオに流れ着いたバージ

不審船だけではない。巨大バージがどこからかパラオに流れ着くのだ。

写真は一昨年流れ着いたパージで、無事牽引し大事には至らなかった。今は、パラオ南部のソンソールの環礁に他のバージが乗り上げてしまっているという。

"Origin Of Grounded Barge In Palau’s Southwest Islands Uncovered"

Vessel from Indonesia continues to damage pristine environment

KOROR, Palau (Island Times, Oct. 28, 2014)

http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2014/October/10-28-14.htm

日本だったらどうであろうか?

バージが流れてきたらやっぱり海上保安庁が対処するであろう。

環礁に乗り上げるまで放っとくような事はないのでは?

人口2万人のパラオEEZどころではない、領海さえも護れないのである。

パラオを馬鹿にしているのではない。そもそも25人の海上警察ではその領海さえ管理するのは不可能だ。

豪州の連邦警察はミクロネシアから引き上げてしまったというが、日本がパラオの法執行を支援する可能性はないのであろうか?

日本の南洋統治では多くの日本人警察官が派遣され、島の秩序と安全を保つ努力がされていた。