キャンベラの海洋安全保障政策専門家、ベルギン博士から下記のニュースが飛んできた。
Julie Bishop seals Japan deal over Pacific Islands
Financial Review Feb 16 2016
http://www.afr.com/news/world/julie-bishop-seals-japan-deal-over-pacific-islands-20160216-gmvjk8
来日中のビショップ外相が、岸田外相と、太平洋島嶼国への支援協力をさらに強化する事にサインした、という。
記事によれば支援協力には ”greater number of joint maritime security and surveillance operations” とある。
水産庁の取締船パラオ派遣を阻止している外務省が、豪州と”maritime security and surveillance operations” とは信じがたい、が、もし本当であれば、相当な上からの圧力か、外務省の国際法局かどこかが心を入れ替えたに違いない。
私は南太平洋大学の遠隔ネットワークなど、外務省より10年位先を歩いてきた。やっと外務省が、日本政府が、太平洋島嶼国の海洋安全保障に乗り出したのであれば、道を作ってきた私は本望だ。
<追記>
外務省のウェッブに下記の文書をみつけた。
太平洋における協力のための日豪戦略
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000132640.pdf
英文がこちら
Australia-Japan Strategy for Cooperation in the Pacific
Text of draft Pacific Strategy 14-2-2016 (1).pdf
海洋関連で気になる箇所は、
「両国は,太平洋地域における違法・無報告・無規制(IUU)漁業を撲滅するため協力的に取り組む。」
「安全保障・防衛協力
日本及びオーストラリアは,緊密な安全保障上の関係を有する。日本及びオーストラリアは,海洋における法の支配の重要性を認識する国として,海洋秩序は国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に従い維持されるべきであり,全ての国は航行及び上空飛行の自由を含む普遍的に認められた諸原則を尊重すべきであると考える。両国は,引き続き太平洋地域において,海洋安全保障及び監視という優先分野に共に取り組む。両国は,能力構築支援,訓練及び共同演習の分野における協力の機会を模索する。」
2つ目の文章の「両国は,引き続き」って、日本政府は何もしていない。2008年からミクロネシアの海上保安支援を開始したのは私である。