やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

バヌアツのレゲンバヌ議員国土大臣に復活

後列左がラルフ•レゲンバヌ国土大臣です。

 

バヌアツを破壊するのは大型サイクロンではなく、チャイナマネーである、と書いたブログは色々な方が取り上げてくださり、アクセスも多かった。

 

「小島嶼国、バヌアツを破壊するのはサイクロンではなくチャイナマネーだった。」

https://yashinominews.hatenablog.com/entry/2016/02/02/152324

 

バヌアツの人々は、チャイナマネーよりも強かった。

そして、われらがレゲンバヌ議員は、国土大臣として復活したのである。

 

バヌアツは英、フランスの理不尽な植民地とも戦い、太平洋で唯一独立運動の時に犠牲者を出した国である。

1980年のバヌアツ独立を目の前に、米国のリバタリアンの不動産屋がタックスヘブンを目的に分離独立をしかけ、フランス軍が武器を分離独立派に秘密裏に提供したのである。欧米諸国の貪欲さは、中国よりも上手だ。

 

今回は、チャイナマネー、具体的には、上海かシンガポールか香港の会社がバヌアツに空港を作る話を同国政府に持ちかけた。勿論目的は別にある。

世銀の融資を断り、中国系企業から袖の下をもらった与党閣僚を裁判に持ち込み、14名の閣僚を牢屋行きにした。昨年、レゲンバヌ議員側の野党の必死の攻防戦が展開されたのだ。

 

野党側からの不信任案は大統領に拒否され、この1月総選挙となったが、めでたく、チャイナマネーに繋がっていた旧勢力が一掃され、新しいリーダー達が選ばれたのである。

そしてレゲンバヌ議員は、国土大臣に復活。

 

レゲンバヌ大臣を、日本の会議に招聘したのが昨年の5月。

バヌアツに戻った彼を待っていたのが政権転覆だったのだ。

それから、気をもみながら状況を見守っていた。時々応援のメッセージも送った。

彼の存在は同国で大きい。特に青年層への影響は無視できない。

レゲンバヌ議員がいるから、バヌアツは、太平洋島嶼国は正しい道を歩んでいる可能性がある。

 

 

"New Vanuatu cabinet a 'changing of the guard'"

11 Feb 2016, ABC News

http://www.abc.net.au/news/2016-02-12/new-vanuatu-cabinet-a-'changing-of-the-guard'/7162402