いよいよ、自衛隊が与那国に入る事となった。子供を含む94名の自衛隊の家族も入るという。
このニュースに、保守の知人達が「嬉しい!」と喜びを隠さない。
与那国で20年ほど前、やしの実大学を開催し、先月もプライベートで訪ね、島の人々の声を聞いてきた当方は、保守の反応に大きく反論したい。
「与那国 陸自隊員の派遣開始」
八重山毎日新聞 2016年03月19日
http://www.y-mainichi.co.jp/news/29523/?fb_action_ids=837112969748792&fb_action_types=og.likes
自衛隊が入る事は反対しない。与那国の人々は住民投票までして合意したのだ。
しかし、自衛隊を受け入れざるを得なかった島の経済、福祉状況を保守の人によく理解して欲しい。
人口減少で高校がない与那国は15歳の子供達を島の外に出さなければならない。
医療サービスのない島の苦労。
そんな与那国を尖閣問題が起きるまで日本は放ってきたのである。
それから、日本の植民学を興した後藤新平、新渡戸稲造を見習って欲しい。
彼等は植民先の歴史、文化を充分尊重した。
一体、自衛隊支持の保守の方々はどれだけ与那国の歴史や文化を学ばれているであろうか?
という当方も自慢できる立場ではないが、何度か通わせていただいて(自衛隊の話が出る前)いる。
与那国を知る資料、探せば色々あると思うが『与那国町史』という立派な本が3巻発行されている。
それから、与那国町は日本政府が全く無視した「与那国ビジョン」とい政策も打ち出している。
http://www.town.yonaguni.okinawa.jp/project/ziritsu.htm
当方もミクロネシア海上保安事業を通して自衛隊の方達と知り合う機会を得た。
自分のアレルギーも消え、彼等は一般人より平和志向である事も理解できた。
しかし、あの何もない与那国に現れた巨大な軍事施設を一度観て欲しい。
島の人の立場に立って欲しい。
当方は習志野、市ヶ谷に居住した事があり、防衛施設が以前より近くにあったのでそれほど感じなかったが、与那国の人にとっては突然出現したのである。
「脅威」だと思う。
繰り返す。小さな島の歴史や文化は島人のアイデンティティなのだ。
本土の保守革新共々、煽るのだけは止めて欲しい。謙虚に与那国の歴史文化を学んで欲しい。
自分への自戒を込めて提案したい。