やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

やしの実大学の記憶 ー 台風12号(ウィパー|WIPHA)

やしの実大学の最後の3年は、琉球大学の琉球大学アジア太平洋島嶼研究センターに委託する形であった。

2007年に日本島嶼学会が与那国で開催され、そこに共催する形でやしの実大学を開催した。

この時石垣を史上最大の台風が襲い、帰れなくなったのだ。そしてそこに山田吉彦氏が日本財団から参加した。彼が与那国、石垣島の自衛隊受け入れに動いたのである。

山田氏は私が10数年運営してきた「やしの実大学」には一切、微塵も関与していない。しかし私が作ったネットワークを利用したのだそうである。これは本人から聞かされ愕然とした記憶がある。さらに八重山毎日新聞の上地義雄氏は、山田氏が財団の派遣で島に来ているものと勘違いしたのだ。一切、微塵も関係ない。

私が培った八重山の人々との信頼関係は、全く関係していない人物よって利用され、自衛隊の設置につながった。

西太平洋の安全保障状況を鑑みれば、その必要はあると思う。しかし、自衛隊配備は良い事ばかりではない。

 

2007年の台風12号ウィパーを迎えた翌年から私はミクロネシア海洋安全保障事業に全エネルギーを集中したため、八重山のことは気になりながらも、遠ざかっていた。