やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(3)

 

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  クロマグロの受精卵と稚魚(水産研のウェッブより)

        http://www.fra.affrc.go.jp/cooperation/tuna_egg/index.html

 

それでは本当に水産庁は水産資源管理に対し、無為無策なのであろうか?

宮原氏によると、確かに漁場を増やそうという努力はしてきたが資源管理に動いたのは2000年辺りからだと言う。

 

勝川教も宮原教も共に資源管理を重視する。

勝川教も宮原教も漁師の保護も重視しているようだが、方法が違うように見える。

信者としては2つの教義の違い今ひとつわからない。

(当方は、魚の専門家ではないので素人考えですが、そこら辺のプロパガンダ環境NGOや国連なんとか海洋委員会の委員よりは知っている事を経験上認識はしています。)

 

教義の微妙な違いはクロマグロ管理である。

日本が一人頑張っても資源管理はできない。そこで、下記にリストアップしたような世界にある漁業資源管理国際組織に働きかけ、合意を形成する。

 

大西洋マグロ類国際保存委員会(ICCAT)

全米熱帯マグロ類委員会(IATTC)

インド洋マグロ類委員会(IOTC)

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)

 

2014年、当方が水産庁の職員のようにただ働きさせられていた頃、大きな資源管理の動きがあった。まずWCPFCで30キロ以下のマグロ漁獲量を半減する事を合意。

 

「日本提案、クロマグロ未成魚の漁獲枠半減へ メバチマグロ等の個体数減少にも懸念」

2014年9月8日

http://newsphere.jp/national/20140908-2/

 

続いてIATTCでも40%削減の合意に漕ぎつけた。

 

これをやったのが日本の水産庁である。戦後GHQが、漁業大国の日本が水産局とは何事だ、水産庁でも足りん、水産省にしろと言った水産庁である。

 

それだけではない。日本国内の漁師さんたちを動かしてクロマグロ未成魚の漁獲上限を決めた。

参考:

yashinominews.hatenablog.com

 

2014年、当方は宮原さん、神谷さんにパラオの件で無料奉仕していた最中、この水産庁の資源管理交渉を間近に見せていただく機会を得たのだ。

穫るのを控えましょうと合意したクロマグロ未成魚とは簡単に言えば、卵を生む前の若いお魚。

30キロ以上の卵を産み終わったお母さんは穫っていいって、これ何かムッとする話なのだが、勝川さんはここら辺で水産庁の考えと違うらしい。(マグロの産卵は年一回、何才まで卵を産めるのかは知りませんが、一回に数千万個生むそうです。しかも産みっぱなしで育てなくていい、というのは羨ましい。)

 

長くなったので、次回に続きます。