太平洋島嶼国の中でも人口が10万に以下の島嶼国7か国を集めたSmaller Island States of the Pacific Islands Forumの会議が6月24日、パラオで開催された。
7カ国とは下記の通り。
クック諸島、人口15,300
キリバス、人口113,400
ナウル、 人口10,900
ニウエ、人口1,500
パラオ、人口18,000
マーシャル諸島、人口54,900
ツバル、人口11,300
全部合わせても23万
人口だけでなく、土地も小さく、市場からも離れ、広大な海洋を保有するこれらの小島嶼国には特別な開発政策が必要であるとのPacific Islands Forumの認識である。
パラオで開催された会議の議案は下記の5点。
気候変動
移動(労働など)
健康管理
海洋管理
空と海の移動手段
詳細は下記のペーパーあるが、海洋管理を見てみたい。
SPECIAL SMALLER ISLAND STATES LEADERS MEETING
Koror, Republic of Palau, 24 June 2016
SUMMARY OF DECISIONS
まずは漁業資源である。
太平洋島嶼地域の課題として優先事項であると共に食の安全保障や健康、貧困問題対策としての沿岸漁業の重要性を確認。
違法操業取締の強化。
SDGに海洋問題が単独項目として入り、小島嶼国が海洋問題に関しても脆弱である事、更に環礁保護とそに関する調査研究の促進。
そして最後が海底資源開発に対する太平洋島嶼の地域機関の協力を得て、そのリスク管理と資源開発を行う事。
以上4点が海洋関連の合意事項である。
上記7カ国の内クック諸島、ニウエはニュージーランドと自由連合協定を締結し、パラオ、マーシャル諸島は米国と自由連合協定を締結している。よって基本的には人口の移動、継続的経済援助を受けられる立場である。
しかし、キリバス、ナウル、ツバルはそのような協定はなく、安定した人口の移動先や経済援助はない。英連邦に留まっているが、英国の太平洋島嶼国支援はEU経由である。今回のEU離脱が英国の対太平洋島嶼国支援に変化を与えるだろうか?