やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

七人の侍ならぬ七つのADB事務所 ー 安倍政権島サミット評価

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安倍政権の第8回島サミット、端っこの方で関わらせていただいた当方としてはどんどん成果が出てきてこんなに嬉しいことはない!

昨日見つけたADB関連のニュース。

ADB ramps up Pacific presence as aid donors jostle for influence

7つの太平洋島しょ国に新たにアジア開発銀行事務所を開設。2020年までに4千億円程度の事業を展開。
クック諸島ミクロネシア連邦キリバスマーシャル諸島ナウルパラオ、ツバル。そしてサモアソロモン諸島、トンガ、バヌアツもこれらの支所がカバーする)

実はアジ銀の太平洋版をというのは渡辺昭夫先生が主張していたことだ。(渡辺先生は当方の2つ目の修士の指導教官で、私がその修士を取得した後に、私が担当する笹川太平洋島嶼基金運営委員会にお招きした)私は島しょ国にお金出しても管理できない、とか言って反対した記憶がある。しかしアジ銀の事務所が現地にオフィスを構えるのであれば監視体制ができて逆に法遵守なんかしない太平洋島嶼国にとっても良い影響があるかもしれない。
それに、インフラ支援しないと中国がやってくるのだ。事務所開設は良いアイデアだ。応援したい。

ところで、七人の侍ならぬ七つのADB事務所。黒澤映画の七人の侍は最後志村喬の勘兵衛が「勝ったのはあの百姓たちだ、儂たちではない」と言ってかっこ良く去っていく。七つの ADB事務所はずーっといた方が良い。それはただ小島嶼国の規模のキャパシティに限界があるからなのだ。