IUCNとは何かまだわからない、と下記ブログに書いたところ金子教授からさらに論文を送っていただいた。
「国際自然保護連合とワシントン条約 : 条約の運用に関するIUCN声明文の紹介」
IUCN's view on CITES treaty
金子 与止男著
森林野生動物研究会誌 = Journal of the Japanese Wildlife Research Society (39), 51-58, 2014-03
上記の論文に1992年の京都会議で(第8回CITES締約国会議)IUCNが発表した声明が紹介されている。重要な文章だがどこにも公表されていないという。
金子教授の上記文章に、日本政府がIUCNに20年近く加盟しなかった理由に捕鯨問題があるが、水産庁の野村一郎審議官が1993年スイスのIUCNを訪ねたとき、IUCNが自然生物の保全利用について日本政府と同じ哲学を持っている事に驚いた、という話が紹介されている。
そしてIUCNは国際商取引停止が保護につながらないという立場で、多くのNGOやメデャアとは違うと。
金子教授の論文から離れるが、IUCNでウェッブサーフィンをしていて面白い情報を得た。世界最古の環境NGO, IUCNの創設者の一人、Sir Julian Sorell Huxleyはユネスコ初代事務局長でもあった。彼の祖父Thomas Henry Huxleyはダーウィンの進化論の支持者で、新渡戸の武士道にも引用されているのだ。
武士道は、ハックスレ―の判定即ち「宇宙の進行は道徳性を有せず」とする言を容認することができなかった。
孫のSir Julian Sorell Huxleyは武士道を読んだであろう。そしてユネスコが新渡戸の遺産である事もきっとしっていたに違いない、と私は想像している。
そう言えばスイスにあった国際連盟は戦前、戦中、戦後、どのような状態であったのであろう?