やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

島か岩かー外務省経済局長大島氏の見解

メモ

第145回国会 建設委員会 第8号

平成十一年四月十六日(金曜日)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/145/0014/14504160014008c.html

○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。

 もちろん、沖ノ鳥島は我が国の領土でございます。国連海洋法条約との関連で今先生の御指摘の点を御説明させていただきますと、ちょっと先生もう既に引用された条文、繰り返しになりますけれども、引用させていただきます。

 まず、そもそもでございますけれども、国連海洋法条約第百二十一条では、「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」、これを島と定義して、島も原則として排他的経済水域及び大陸棚を有することを定めております。したがって、沖ノ鳥島は、このような条件を満たす島でございます。海洋法上の島だ、岩ではなく島だと理解しております。

 他方、今先生も引用されました岩に関する項目というのが同じ条文にございまして、三項でございますが、人間の居住または独自の経済生活を維持することができない岩は排他的経済水域または大陸棚を有しないと規定しております。しかし、この規定には岩とは何かという定義がございません。そして、そのような理由から、その内容が明確ではございませんので、また、各国の国家の実行等を見ても、現時点において、この規定によって特定の地形が排他的経済水域または大陸棚を有しないとする根拠はないということでございます。したがって、我が国としては、沖ノ鳥島国連海洋法条約のもとでも島だということで、したがって排他的経済水域を有することができると考えております。