やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガ首相 ニュージーランド首相に謝罪

Calls grow in Tonga for probe into seasonal workers' behaviour in NZ

https://www.tvnz.co.nz/one-news/world/calls-grow-in-tonga-probe-into-seasonal-workers-behaviour-nz

もう10年位になるであろうか?

島嶼国の経済開発政策の一つとしてSeasonal worker = 季節労働者制度をニュージーランド政府が開始し、試行錯誤の末成功。当初後ろ向きだった豪州も後に続いている。なかなか島社会自体の経済開発、と言うのは困難なので、ニュージーランド、豪への出稼ぎは良いアイデアだ。

とはいえ、季節労働者が100%問題ない、というわけではなく、今回のトンガ首相の謝罪の理由は、トンガからの季節労働者が、ニュージーランドで麻薬、お金、お酒を十代の女性に与え、セックスをしたという話。

これらの季節労働者は直ぐに本国に送り返されたようだ。

トンガはこの制度で年間7ミリオンドル(多分ニュージーランドドルだと思う。5億円位)がトンガに送金され、貴重な収入となっている。

狭い島社会から短期間でも海外に出られる事も、この制度の良いところ。中には羽目を外す人もいるのであろう。しかし、受入国での犯罪は受けれがたい。

外務省の資料に人口10万人のトンガに年間5千件の犯罪数が確認されていることを知った時はショックだった。トンガ国内での道徳教育も必要だろうし、また国内の麻薬問題もある。