やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオのリスキービジネス

RISKY BUSINESS PALAU: Hostessing, sex work and HIV prevention in Koror

https://sphcm.med.unsw.edu.au/sites/.../Risky-Business-Palau.pdf

 

手付かずの海、自然で有名なパラオ共和国マネーロンダリング、便宜置籍船、人身売買、麻薬などのあらゆる越境犯罪が行われている。これらの越境犯罪に国家の規模は関係ないどころか、かえって法執行能力が弱い小国の方が適している、とも言える。

 

パラオでの売春に関するレポートがオーストラリアのニューサウスウェルズ大学から出ていた。2015年なので比較的最近だ。

パラオで売春を行なっているのはフィリピン、中国人。お店を経営しているのはパラオの法律で地元の人と外国人(中国、台湾)の共同経営。売春は合意で違法ではない、とのこと。逆にコンドームを持っていることで警察が売春を行なっていると判断し逮捕される例があり、それは逆に危険であるとこの報告書は指摘している。

 

このレポートは、セックスワーカーを守るためにも健康管理と情報提供ができる環境が必要と提案している。数年前、大統領の知り合いが関与する売春と違法人身売買の記事が大きく取り上げられた。取り締まろうとする米国人女性の司法長官を大統領が更迭する結果となった。そんな事件もあり、売春ビジネスが違法と思われ、違法・合法が混ざって認識されているが、分けて考える事が必要、と。

賭博やお酒と同様、禁止すると地下組織で運営される事になる、という話ではないだろうか?